幼少期の頃、『夜空』を見上げるのが好きだった。
星空に感動し、赤い月が不気味に見えて、三日月になぜか切なさを感じて・・・夜空は、いろんな感性を与えてくれる。
いつからか、私は夜空をあまり見なくなった。
夜道を歩くことがなくなったし、夜は大概家に籠っている。
幼少期に思いを馳せていた夜空は、遠い過去のように、私の記憶から薄らいでいくような気さえしていた。
だけど、今日は十五夜だ。
あまり意識して来なかったけど、今日は夜空を見ようと心に決めた。
十五夜だけど今日は満月ではない。そういう十五夜もあるようだ。
だけど、肉眼では分からない。私の目には、真ん丸に見える。
とても美しい月が、そこにあった。
見る機会が減ってしまった『夜空』だけど、たまには夜道を散歩して、幼少期の頃のように思いを馳せるのも悪くないと思った。