はじめて介護士の仕事に就いた日。
トランスファー(移乗介助)が恐怖でしかなかった。
数日は見学のみだったけれど、どの先輩の介助を見ても、柔道の投げ技のようにしか見えていなかった。
※その先輩が荒っぽかった訳ではない。
早く一人立ちしなければ・・・という焦りから、道理無視の、完全に見様見真似の無茶なトランスファーをしてしまった。
案の定、患者様を激しく落とし、普段しゃべらない方なのに「痛い」という発語を引き出してしまった。
今思うと誰かと一緒にやれば良かったと思う。
10年以上前は、新人教育も行き届いていないのが現状だった。だから、トランスファーの基本が理解できていなかったのだ。
それから時が経ち、動画サイトでもトランスファーの動画がアップされるようになった。
ボディメカニクスを理解し、様々な方法を覚えて、今では難なく介助できるようになった。重い人や立位が不安定な方も、事故なく安全に介助できるようになった。
たまに力任せだったり、持ち上げる介助をしている先輩もいるけれど、私は『持ち上げない』介助を心掛けている。