笑顔が溢れる。
私の勤めている病院では、月に1回レクレーションというものを行う。
普段できないカラオケをしたり、ボーリングをしたり、患者様が楽しめる企画を実施している。
12月は私が担当することになった。
患者様も職員が楽しめるレクレーションでないと意味がないと思っている。
いろいろ考えて、調理レクをすることにした。
楽しいレク中に、事故などあってはならない。まして窒息なんて起きたら、もう2度と調理レクが出来なくなってしまう。
安全に食べられるものを作ることにした。
ややひたひたにしたフレンチトースト。
これなら柔らかく、飲み込みも難なくできるはず。
いざ家で試作。
調理レクを決行する場合、私は必ず試作する。ぶっつけ本番はリスクが高すぎるから。口に入る物は特に慎重になる。
これに生クリームを添えて、ちょいと豪華な感じに仕上げようと思う。
そして、レクレーション当日。
生クリームも泡立て器で作ることにし、患者様にも一緒に混ぜてもらう。
だがしかし、なかなか固まらない生クリームに時間をとられてしまい、予想以上に時間が掛かってしまった・・・。
というハプニングはあったものの、「美味しい」と喜んでもらえて、やった甲斐があったと私も笑顔になった。
レクレーションが苦手で嫌いという職員もいるけれど、患者様と職員が一体となれる絶好の時間になるから、この時間は大切な一瞬になると私は思う。
認知症の患者様がほとんどだから、一瞬一瞬が勝負なのだ。
ほんの僅かな時間でも、笑顔になれる時間が貴重だと思うから、私はレクレーションというものを大切にしている。