海底に眠る。
人類が誕生する前からあった『海』。
未だに解明されていない『謎』を秘めていて、その『謎』にロマンを感じられずにはいられない。
私の趣味がダイビングだった頃、イントラさんにこんなことを言われた。
「一番会ってみたい生き物はなに?」
の質問に、私は間髪入れずに、
と答えた。
よく打ち上げられたリュウグウノツカイの報道を目にするが、私が見たいのはそんなものではない。
海の中で、光の届かない薄暗い中で、悠々と泳ぐリュウグウノツカイが見たいのだ。
想像でしかないけれど、光を放ち、胸に染み入る光景が見られるような気がする。
それを生で見てみたい。
そう言うと、イントラさんは笑って、
「僕は、シーラカンスに会いたい」
と言った。
意外な答えだった。
だけど、深い深い海だ。
未だに発見されていない新種の生き物もたくさんいるといわれている。
もしかしたら、深い海の底で、誰にも発見されず、悠々自適に生き永らえているかもしれない。
そんなことを感じられずにはいられない、素敵なストーリーを海は秘めていると私は思う。